こんにちは。 東京ライターのフクダです。 突然ですが、この世で最もおいしい食べ物をご存知ですか? こんな分かりきったことを訊くのも野暮なハナシですが、どうかここはひとつ。 最もおいしい食べ物。そう、お好み焼きですね。 かつて藤原道長は、夜空に浮かぶ満月(=欠けていない完全な形)を完璧な自分に例えた歌を詠みましたが、時代が違えば満月のポジションはお好み焼きだったことでしょう。 なにひとつ欠けていない完璧な丸いフォルム(※1) 単体で主役にもおかずにもなり得るポテンシャル(※2) そしてなにより世界一のおいしさ(※3) まさにパーフェクト。 ということで行ってまいりました。お好み焼き屋です。 一人焼肉や一人カラオケがとうに市民権を得た今、一人お好み焼きとて同様に市民権を得ていると言っていいでしょう。 大勢でワイワイと卓を囲み、同じ窯の飯ならぬ同じ鉄板のお好み焼きを食うのもオツなものですが、一人でお好み焼きと向き合うのもまた一興。 熱い鉄板の上でじゅうじゅうと生地が焼ける音、アツアツのソースの香り。一歩、店内に踏み入った瞬間からもうお好み焼きの腹具合です。 もんじゃなぞを頼むのはそれこそ野暮なハナシなわけですね。 なんですか? あのちっさいコテでちまちまちまちま食べるスタイル。日が暮れますよ。 もんじゃのことはさておき、頼んだのはこちらの明太&もち&チーズ。 おいしいものにおいしいものを重ね合わせたらどうなるか。めちゃくちゃおいしくなるんですよね。 油をひいた鉄板に生地を投入し、待つこと数分。 いい頃合いでひっくり返し、また待つこと数分。 ソースとマヨネーズをかければ、あっという間にパーフェクトフォルム。 切り分けた断面もまた美しい。ソースの照りがいい感じですね。 味ももちろんパーフェクト。 ひと口含めば、口いっぱいに広がるソースとふわふわの生地の味。 もちもちのもち。 ピリ辛の明太子。 チーズのコク。 素晴らしきかなお好み焼き。 胃を空けておいたかいもあり、ぺろりと食べてしまいました。 2枚目はどうしようかな。 いやでも、お店で食べる利点って周りのお客さんの存在もあると思うんですよね。 近くの卓で焼いてる音や香りが届いて、あれもこれも食べたくなりますゆえ。 ………………………………………………………。 もんじゃはこう、ダシの香りがいいですよね。 鉄板で具材を炒める過程も楽しい。 ヘラでちょっとずつ食べるのも、長く味を楽しめますし。 しっかり焼かれてパリパリになったのを剥がして食べるのもちがった味わいがあっていい。 食べ始めと食べ終わりで食感が変わってくるのも、唯一無二の魅力ですね。 などと夢中で食べていたら、こちらもあっという間にぺろり。 いややっぱり、もんじゃもお好み焼きも、どちらも楽しむのがいいですよね。 それぞれのおいしさがありますので、どちらか一方しか食べないで済ますのは野暮なハナシですよ。 ということでそれでは。以上です。 (※1)作り手の技量による (※2)地域による (※3)自明の理