読書の春!
読書の春!

読書の春!

みなさん、こんにちは!
東京本社・制作事業部ライターのヨットと申します。

すっかり春らしくなってきた今日このごろ。
お出掛けしたくなる季節ではありますが、こういうご時世なのでまだまだ巣ごもりが続きそう。
ということで、今回はそんなおウチ時間を楽しくしてくれる個人的オススメ本を紹介したいと思います!

◆『蹴りたい背中』綿矢りさ
クラスからちょっと浮いた存在の高校1年生・初実。
そんな彼女が、まったく接点のなかった同じクラスの男子生徒・にな川と、
ある出来事をきっかけに親しくなっていく……というのが大まかなあらすじ。
まあそれだけだとよくある高校生のアオハル話に聞こえますが、
読み進めていくと、この2人の関係性が面白いことになっていくんです。
恋愛でもなければ友情でもない。うまく言葉にはできないけど、なぜかすごくわかる感情。不思議な余韻に浸れます。

◆『穴』小山田浩子
主人公は、夫の転勤で田舎に引っ越してきた「私」。
専業主婦としての日常を淡々と過ごしていた「私」ですが、ある日、犬に似た見慣れない動物を見かけて後を付けていくと、
そこにはなぜか大きな穴があって……というのが大まかなあらすじ。
これ、ある主婦の日常を描いただけなのに、なぜか怖い。
「悪いことが起きそう、いや起きないかも、でもやっぱり……」といった曖昧な不安がずっとつきまとう感じ。
怖いもの見たさというか、ホラーとはまた違うスリルを味わえる独特な作品です。

◆『abさんご』黒田夏子
幼い頃に母親を亡くしたひとりっ子の主人公。
父親との思い出や幼少期を過ごした家のこと、図々しい家政婦のことなど、
思いつくままに回想をしていく……というのが大まかなあらすじ。
このお話、とにかくすごいんです。なぜって、目が覚めたままで「夢を見ている」感覚が体験できるから。
自分でも何を言っているのか意味不明ですが、本当にそう表現するしかないんですよ。
ただ、非常に難解なので読み進めるのにめちゃめちゃ苦労します。
苦労しますが、それに見合っただけの価値は間違いなくあります。

それではみなさん、よき読書ライフを!
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