ブログをご覧の皆さま、こんにちは。
北海道支社・制作事業部ライターの山寺です。
突然ですが、皆さまは箪笥(たんす)の数え方をご存じでしょうか?
正解は「棹(さお)」。
昔の和箪笥には両脇に「竿通し」と呼ばれる金具が付けられていて、
そこに竿を通して持ち運びができるようになっていたことから「棹」と数えるんだとか。
などと偉そうに説明をしている私ですが、数え方を知ったのはつい最近のこと。
あるとき友人と家具の話になり、
友人が「うちにタンスは……3棹かな」と言ってまして、
「なんなん? その数え方?」となったわけです。
なんとなく、
適切な数え方を知ってると教養があってかっこよく感じませんか?
ということで今回は、
あまり一般的じゃない「ものの数え方(単に私に学がないだけかもしれません)」を調べてみようの回です!
まず最初は神様の数え方。
神様は「柱(はしら)」と数えます。
「柱」を分解すると「木」と「主」になり、「主」は「そこにじっと立っている、支えている」という意味。
古来より樹木には神様が宿ると信じられていたため、神様を「柱」と数えるようになったそうです。
ちなみに特定の場所に祀られている神様は「座(ざ)」と数えられ、
「高い山には神様が座っている」という考えから、高い山も同様に「座」と数えられます。
続いてはハサミの数え方。
1つ、1本と言えばいいところ、ハサミは「挺(ちょう)」と数えます。
ちなみにハサミのほかにも、武器の槍や農具の鋤(すき)など、長細いものを数えるときに使うそうです。
また同じ響きで、豆腐や拳銃に使う「丁」もありますね。
「ラーメン一丁!」「一丁あがり!」のように景気付けでも使うほか、
「ふんどし一丁」など、唯一身に付けているものを強調した言い方もできる便利な単語です。
続きまして、雪の数え方。
ひらひらと舞うように降る雪は「片(ひら)」と数えます。
ちなみに雪のほかにも、花びらや紙吹雪などのように、薄く、平らで、宙に舞うほどの大きさのものを数える際にも使われるそうです。
あと個人的に、気象に関する数え方が詩的でおしゃれだなと感じます。
雨:一滴(ひとしずく)、
風:一陣(いちじん)、
あられ:一粒(ひとつぶ)、
虹:一橋(いっきょう)
ほかにも、私が「これは知らなかった!」となったものをまとめてどうぞ!
ダム:一基(き)、
アリ・蝶:一頭(とう)、
鏡:一面(めん)、
大砲:一問(もん)、
トランジスタ:一石(せき)、
仏像:一軀(く)、
絵馬:一体(たい)、
掛け軸:一軸(じく)、
銀行:一行(こう)、
鎧:一領(りょう)、
死者の霊:一位(い)、
井戸:一本(ほん)
さてここからは、「よくよく考えれば、これってどう数え分けてるの?」というものをご紹介していきます!
まずは住宅の数え方。軒、戸、棟(とう、むね)など、さまざまな呼び方がありますよね。その違いはこんな感じ。
軒(けん):住宅をはじめ、建物全般を数えるときに用いる
戸(こ):建設や売買の対象となる建物を数えるときに用いる
棟(とう):戸建て住宅より、マンションやアパートを数えるときに用いる
棟(むね):地震や火事などで被害にあった建物を数えるときに用いる
邸(てい):戸建て住宅に対して、高級感を出すために用いられることがある
各新聞社、テレビ局などで住宅の数え方には違いがあるため、あくまで一例です。
続いてイカやカニの数え方。杯と匹でどう使い分けるのでしょうか。
杯:食材として扱われるときの数え方
匹:生き物として扱われるときの数え方
このように、ものの状態や捉え方によって数え方が変わるものがほかにもあります。
中でも個人的に面白いと思ったのがマグロ。
海を泳いでいるときは「一匹」、
釣り上げると「一本」、
市場に出回るときは「一尾」、
三枚におろされたときの半身が「一丁」、
その半身を背腹4つに切り分けると「一節(ひとふし)」、
さらに切り分けると「一塊(ひところ)」、
さらに切り分けると「一冊(ひとさく)」、
さらに切り分けると「一切れ」。
ちなみにお寿司にしたら「一貫」となります!
いやあ、ものの数え方っていろいろあって面白いですね!
原稿内はもちろん、日常の場面でも使いこなせるよう、日々勉強していかねばと思う次第です。
以上、すべてのものに神様が宿っているという「八百万の神」理論でいけば、
すべてのものを「柱」と数えていいのでは? と考えてしまう山寺でした。